マイホームは本当に購入した方がいいの?@
マイホームとは何かという質問をされたら、
どういう答えがあるのでしょうか?
一人前になった証、ステイタス、終の棲家、生活の場所、
家族が買える場所、憧れ、安らぎの場など、
きっと様々な答えがあるのでしょうね。
マイホームは本当に購入した方がいいの?A
バブル経済が崩壊するまでは、日本人は疑うことなく
「マイホームは資産である」と考えていたものでした。
上昇し続ける地価を目の当たりにしていれば、
誰もがこう考えても不思議ではありませんよね。
しかしながら、バブル崩壊後は、
日本人のマイホームに対する概念が
根底から変わってしまったと言われています。
それまでは資産と考えていたマイホームが、
一瞬にして負債に変わってしまったわけですからね。
おそらく、多くの人が
呆然としてしまったのではないかと想像します。
「なぜ、自分は負債を抱えることになてしまったのだろうか」と。
また、誰もが、次のように教えられて、
それを信じてきたわけです。
「住宅ローンの支払いが終われば、その家は家族の所有物、すなわち財産になる、そして、マイホームは、豊かな家族生活と安心な老後生活が実現できる、最高の資産でもある、だから、賃貸住宅は自分のものにはならないのだから、家賃を支払い続けても無駄ですよ」
実際、それは一面では真実だったのですよね。
では、現在ではマイホームは単なる負債なの?
マイホームが負債であるという現実は、
バブル崩壊以降に急に顕著になってきたんですよね。
住宅ローンで購入したマイホームなんて、
生涯最大の固定負債だし、これから先の人生は、
ローン返済の人生が待っているだけではないかと。
定年まで給料が保証されているわけではないし、
本当に返済していけるのだろか、
しかも買った途端に価格が下がってしまっては、
そう簡単に住み替えなんてできないだろうなと。
そして、そうであるなら、
ライフスタイルの変化に応じて住み替えができる、
賃貸の方が身軽で良いのではないか、
老後の備えは資産運用で蓄えておいた方が
良いのではないか、という意見が出てきたのです。
確かに、説得力のある意見ですよね。
とはいえ、納得した時に気づくのは、
そうはいってもこんなに貧弱な賃貸の部屋で、
これからの日々を過ごさなくてはいけないのかということです。
満足のいく賃貸住宅を見つけるのも一苦労ですからね。
それでは、マイホームと賃貸住宅では
どちらの考え方が正しいのかということになるわけですが、
一つはっきり言えることは、どちらかが絶対に正しいとか、
絶対に間違っているということはないということです。
重要なのは、そこに住む人や家族が
どのような思いや夢・ライフプランを持っているのか、
どこに生活の価値を置いているのか、
不動産市場や業界の現実はどうなのか、ということなのですよね。
ですから、単なる精神論や経済的合理性のみを
判断基準にするのは非常に危険です。
マイホーム購入の是非は、
専門家やマスコミ、一般論などに左右されて決めるべきではなく、
「自分はどうしてマイホームを買いたいのか」
という、自身の哲学をしっかりと持つことが最も大切なのです。
こうして原点に立ったときに、自分にとって
なぜマイホームが必要なのかを考えるわけです。
■両親との同居を考えると、賃貸住宅では無理だ。
■うちは3人も子供がいるから、さすがに賃貸住宅ではつらい。
■リビングで、家族でゆったりと過ごすのが夢だ。...など
こうした自分自身の夢やライフプラン、
個別の事情は、誰にも否定できませんよね。
これらの思いをすべて無視して、
簡単に今は買い時ではないとは断言できないわけです。
マイホームを購入するにしても、しないにしても、
まずは、自分自身のライフプランや置かれている状況を
冷静に考えてみることをお勧めします。
この際、賃貸住宅でいくよりも、
購入する方が理想を実現できる可能性が高く、
また、その気持ちにぶれがなく本物であるのなら、
マイホーム購入への一歩を踏み出せると思います。
マイホーム購入を時間軸で考えるとは?
一般的に、人というのは物事を
なかなか長期的な視点で考えられませんよね。
しかしながら、マイホームの購入というのは、
20年とか30年、あるいはそれ以上の長期的な視点をもって
臨む必要があるわけです。
物件探しを始める前に、
自分自身や家族の生活様式やライフサイクル、
今後どのように生きてゆきたいのかなど、
ゆっくり話し合っておくと良いと思います。
そこに永く住む場合でも、
売ることや貸すことを考える場合でも、
時間軸の視点を持つことは、
マイホームを購入する上でとても大事なことなんですよね。