戸境壁は直貼り仕上げ/便所の帽子掛けはない方がいいの?

戸境壁は直貼り仕上げの方が遮音性が高いの?@

戸境壁というのは、
住戸と住戸の間の壁のことを言うのですが、
これは鉄筋コンクリートでできています。

 

室内の壁表面の仕上げをどうするのかによって、
遮音性が変わってきますので注意が必要です。

戸境壁は直貼り仕上げの方が遮音性が高いの?A

さて、マンションの戸境壁ですが、
具体的には、次の2つのタイプがあります。

■直貼り仕上げ
鉄筋コンクリートの壁にクロスを直接貼り付けるタイプです。

 

■二重壁仕上げ
鉄筋コンクリートの壁から室内側に少し離して、軽量鉄骨などの間柱を立て、
そこに石膏ボードでもう一枚壁をつくってクロスを貼るタイプです。

 

20年以上前になりますが、大手ゼネコン各社が、
それぞれの技術研究所で実験し、

 

鉄筋コンクリートの壁にクロスを直接貼り付ける
「直貼り仕上げ」の方が遮音性が高い
という共通の調査結果を発表しました。

 

「二重壁仕上げ」ですと、
鉄筋コンクリートの壁と石膏ボードの壁の隙間にある
空気が振動して、音が伝わりやすいから
というのがその理由でした。

 

ただし、音が伝わると言っても、
何でも伝わるわけではありません。

 

というのは、ケースにより、テレビの音やまな板の音など、
特定の周波数の音が共振現象を起こして伝わるからです。

 

それ以来、ほとんどのゼネコンは、戸境壁のクロスは
「直貼り仕上げ」によってつくるようになっています。

 

なお、最近は、戸境壁を二重壁仕上げにしたり、
中には超高層マンションでもないのに、
乾式工法を使用するケースも出てきているようです。

 

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便所の帽子掛けはない方がいいの?

日本のマンションというのは、
広さの関係からトイレの扉は外開きになっていますので、
廊下に戸当たり金物を設けると、つまずくおそれがあります。

 

そこで、安易な方法として扉の上の方に、
柄の長い帽子掛けのような
金物を取り付けるケースがあります。

 

これが「便所の帽子掛け」と呼ばれるものです。

 

便所の帽子掛けは、扉から柄が突き出しているので、
ちょっとみすぼらしい感じは拭えませんね。

 

しかしながら、中には住戸内のすべての扉について、
戸当たり金物の代わりに
この「便所の帽子掛け」型を用いているケースもありますので
要注意です。

 

いくらコストダウンとはいえ、
通常の床設置型でも1住戸当たり原価で
せいぜい2万円程度の違いですから、
ここはケチらないで欲しいところですね。

 

トイレの扉も本来は、枠との間に「スライドストッパー」
と呼ばれる金物を取り付ければよいのです。

 

こちらでしたら見た目もシンプルですしオススメです。

戸当たり金物は必要か?

戸当たり金物というのは、室内扉を開けたときに、
ドアハンドルが壁にぶつかって、
クロスなどが傷まないように設置する、
先端にゴムなどがついた小さな金物のことをいいます。

 

通常は、室内の壁際の床に戸当たり金物を取り付けて、
ドアを開けてもそこで止まるようにします。

 

また、開けたままにしていても、風で急に閉まらないように、
固定用のひっかけが付いています。

 

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