免震構造や制震構造のマンションの方がいいの?@
東日本大震災の前から、通常の耐震構造に加えて、
免震構造や制震構造を採用する大規模マンションや、
超高層マンション(タワーマンション)が増えていたそうです。
でも、東日本大震災をきっかけとして、
あらためてマンションの耐震性を重視する購入者が
増加しているそうですね。
免震構造や制震構造のマンションの方がいいの?A
免震構造や制震構造というのは、
いずれも大きな地震の際に建物への被害を
小さく抑える効果が期待されていますが、
次のようにそれぞれ仕組みは違うものとなっています。
その仕組みとは、次のようなものです。
■免震構造
・通常、基礎と建物の間に「アイソレーター」という装置を設置します。
・板状のゴムと鉄板を何枚も重ねた「アイソレーター」は、地震の揺れでゆっくりと変形します。
・わかりやすく言うと、地盤の震動がそのまま伝わらないようにカットする仕組みになっています。
■制震構造
・要所要所の壁などに、「ダンパー」と呼ばれる装置を設置します。
・代表的なのは、Xのような形をした「オイルダンパー」で、大地震の際には、この「オイルダンパー」の摩擦などで揺れのエネルギーを吸収します。
とはいえ、免震構造も制震構造も、
大地震に対して一定の効果が期待されますが、
設置やメンテナンスのコストが高いというデメリットもあります。
どちらも30年くらい経過すると更新が必要になってきますが、
その費用が馬鹿になりません。
特に建物の下に設置された免震用の
「アイソレーター」を取り替えるには、
少なく見積っても億単位の費用がかかるはずです。
ちなみに、直下型の「阪神淡路大震災」では、
免震構造や制震構造でなくても、
1981年以降の新耐震基準で設計されたマンションの被害は、
比較的少なかったと言われています。
そうであれば、特殊な装置がなくても大丈夫な中層
(5階建て程度)のマンションで、
設計と施工がしっかりしたマンションの方が、
将来的なメンテナンス費用も少なくてすみますので
良さそうですよね。
つまり、中層マンションの方が揺れや振動も少ないので、
免震構造や制震構造のタワーマンションより安心だと思われます。
階高がマンションの構造を左右するの?
階高は、マンションの構造で、
特に住まいとしての基本性能を左右するものです。
具体的には、マンションの室内空間の広さを左右し、
将来のリフォームのしやすさなどにも影響を与えます。
階高というのは、建物の1層(階)分の高さのことで、
ある階の床面から、直上の階の床面までの高さで測ります。
通常、マンションの設計では、リビングのサッシの高さと、
そのサッシの上にくる大梁の高さを基準に「階高」を決めます。
例えば、サッシが高さ2mで大梁の高さが75pとしますと、
そのほかに、サッシ枠の付け代(例えば10p)や
リビング床面の仕上げ(例えば15p)を加えて、
階高は3m(2m+75p+10p+15p)になります。
また、階高を大きく左右する大梁の高さは、
住戸の間口(スパン)の長さと階数によって異なります。
これは、間口が広いほど、または下の階になるほど、
大梁は高くなり、階高もその分だけ高くなるからです。
通常、中間階では、大梁の高さは、
スパン(柱と柱の間の寸法)の10分の1と言われています。
なので、例えば、
スパンが7mだとしたら70p程度ということです。
ちなみに、10階建てのマンションでしたら、
1階住戸の大梁は、最上階の住戸より
10p以上高くなりますので、その分だけ階高も高くなります。