ALC版の外壁/大地震の際の閉じ込めリスク...

ALC版の外壁には要注意!@

法律で求められる耐震性は、
あくまでも柱や梁などの構造躯体に関わるものなので、

 

住まいとしてのマンションを考えた場合には、
日本建築学会の構造基準書でも書かれているように、
RC造の外壁は中の鉄筋が二列の
「ダブル配筋」にしてほしいところです。

ALC版の外壁には要注意!A

この点、数字重視のいわゆる三流デベロッパーですと、
外壁をRC造のシングル配筋にしていますので要注意ですね。

 

また、最近は、外壁にALC版を使用するケースが
増えているそうですからちょっとビックリですね。

 

ちなみに、ALC版は、コンクリートに気泡を混ぜて、
中には鉄筋ではなく鉄線を入れて、
大きな釜で焼成したものです。

 

ALC版を壁に使用しても耐火建築物になり、
小さな気泡を多く含むので、

 

断熱性が高いという利点があるものの、
耐久性や耐衝撃性については、
当然、RC造の壁より劣るものとなります。

 

さらに、ALC版は1枚の幅が60p〜1m程度で、
継ぎ目に樹脂製の詰め物をするわけですが、
この詰め物が気温の変化や紫外線の影響で劣化し、
亀裂がでると雨漏りするのです。

 

建物を軽量化することが必要な超高層マンションでしたら、
外壁にALC版を使用するのも無理ないのかもしれませんが、
本来なら、外壁はすべて
RC造のダブル配筋にすべきですよね。

 

それをRC造のシングル配筋よりも
さらにレベルが下のALC版にするというのは、
わかっていてやっているとしか言えませんね。

 

実際、ALC版を採用しているマンションであっても、
雨が直接かかる妻側の外壁だけはなぜかRC造、
それもダブル配筋にしていたりと

 

チグハグなことをしていたりしますので、
このあたりのことは本当に注意したいですね。

 

一流と言われているデベロッパーは、
非耐力壁すべてを、二重配筋のRC造にしている
ということはぜひ覚えておいてくださいね。

 

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大地震の際の閉じ込めリスクには玄関扉の位置が重要?

大地震が起きると、玄関ドアが開かなくなって
閉じ込められるということがしばしばあります。

 

これを避けるには、
大梁と玄関ドアの位置関係がとても重要になります。

 

さて、マンションの場合、地震の揺れ、
主に横揺れについては、
建物を支える構造躯体であるRC造などの柱や大梁が
がっちり受け止めます。

 

大地震になると、柱や大梁もある程度変形しますが、
変形が一定の範囲内であれば、
皿の上の豆腐を揺らすように、
プルプルしてから元も形に戻ります。

 

実際には、
このとき大梁の下の位置にある玄関ドアが歪み、
開かなくなることがよくあるわけです。

 

また、ドアが開いたとしても、鍵がきちんとかからなくなって、
チェーンなどで施錠しなければならないことも少なくないわけです。

 

こうした被害を抑えるため、
玄関の位置を共用廊下の壁面(大梁の下)から少しずらして、
玄関の前にアルコーブを設ける方法がよく行われます。

 

その際、玄関ドアのある壁と大梁とは、
鉄筋をつなげないで、縁を切っておくのです。

 

そうすると、地震の際に
柱や大梁が揺れる影響を抑えることができます。

 

ただし、玄関の位置を大梁の下からずらして、
玄関前にアルコーブを設置する場合には、
別の配慮が必要になります。

 

具体的には、玄
関ドアとドア枠をつなぐ丁番金物が付いている側に、
最低でも15pほどの袖壁を設けることです。

 

ドアそのものが90度開くことが可能でも、
レバーハンドルなどが10pほど出っ張るので、
丁番設置側の袖壁のところにある程度、
空間がないと90度まで開かないからです。

 

玄関ドアが105度以上開き、
かつ袖壁に15pほどの幅があれば、
ドアは90度まで開くはずです。

 

さらに、ドアの厚みがあるので、ドアの幅が85pであれば、
有効開口寸法は約80pになり、

 

とりあえず、引っ越しの荷物や、
もしものときの救急車のストレッチャーなども
何とか通れると思います。

 

玄関前にアルコーブがあるプランの場合には、
ちょっと細かいですが、
こうしたところまでチェックしておくと安心ですよ。

 

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