マンションの建物の構造/外壁はダブル配筋で!

マンションの建物の構造にはどんなタイプのものがあるの?@

マンションの建物の構造は、
鉄筋コンクリート造(RC造)が一般的です。

 

RC造は、セメントと砂、砂利を水で練って固めたものです。

 

RC造のメリットとしては、ひっぱりに強い鉄筋と
圧縮に強いコンクリートを組み合わせることから、
高い強度と耐久性、耐火性を発揮する点があげられます。

 

また、現場でつくるので
様々な形状に対応できる点もあげられます。

マンションの建物の構造にはどんなタイプのものがあるの?A

RC造はまた、次の2つの構造に分けられます。

■ラーメン構造
・鉄筋コンクリートでできた柱と梁をがっちり接合して建物全体を支える構造です。

 

■壁式構造
・鉄筋コンクリートでできた耐力壁で建物全体を支える構造です。

 

壁式構造は、柱や梁の出っ張りが少ないので、
大地震にもより強いとされていますが、
現在の基準ですと、
基本的に5階建て以上では使えません。

 

高さが7階以上のマンションでは、
RC造の柱や梁の中に鉄骨(S)を入れる
「鉄骨鉄筋コンクリート(SRC造)」が多くなります。

 

ちなみに、SRC造もラーメン構造の一種です。

 

建築コストは高くなってしまうのですが、
同じ強度を持たせる場合には、
RC造よりも柱や梁を細くできるという利点があります。

 

さらに、高さが地上60mを超える超高層になると、
鉄骨で構造をつくる「鉄骨造(S造)」が多くなります。

 

S造の特徴は、大地震の際、
建物全体がしなやかに揺れて対応するところです。

 

マンションは、このような構造のいずれかを採用し、
建築基準法に規定された耐震性などの条件を
クリアするように設計されているわけなのですが、

 

単に法的基準をクリアしただけでは
良い構造とはいえないので注意して下さい。

 

というのは、もう一歩進んだバランスが大切だからですね。

 

例えば、一つの建物で、下の階と上の階が
違った構造(SRC造とRC造)になっていると、
その継ぎ目の部分が弱点になったりするからです。

 

1階に壁のないピロティと呼ばれる開放的な空間があると、
大地震の際には、ピロティの柱に
被害が集中してしまう傾向もあるそうなので、
これはかなり危険ですよね。

 

マンションの構造の良し悪しというのは、
地盤から基礎、建物形状など
様々な条件が重なりあって決まるものです。

 

なので、そのうちのどれか一つでも問題があると、
全体として十分な性能が発揮されない可能性がありますので、
この辺のところは常に頭に入れつつ注意したいですね。

 

スポンサーリンク

マンションの外壁はダブル配筋で!

マンションの外壁というのは、
基本的に非耐力壁なのですが、
大地震の際の損傷を防ぐためには
それなりの配慮が欠かせないと言われています。

 

最近は目に見えないコストダウンが進んでいるそうですから
なおさらですね。

 

法律で求められる耐震性は、
あくまでも柱や梁などの構造躯体に関わるものです。

 

なので、構造躯体ではない外壁(住戸のバルコニー側や
共用廊下側の壁)は、非耐力壁とされます。

 

しかしながら、住まいとしてのマンションとしては、
非耐力壁にも配慮が必要です。

 

というのは、震度5程度の地震で外壁が壊れたりしたら、
玄関ドアが開かなくなったり、隙間風が入ってきたりして、
とても住み続けることはできないからです。

 

なお、そのような実用性の点も考慮して、
日本建築学会の構造基準書では、
RC造の外壁は中の鉄筋が二列の
「ダブル配筋」とするように記載されています。

 

スポンサーリンク