マンションの地震被害/長期周期型地震の影響は?

マンションが地震により被害を受けるケースとは?@

東日本大震災の際もそうでしたが、
湾岸地域など地盤に不安を抱える土地では
液状化などの被害に悩まされることになりますよね。

 

なので、やはりマンション購入前のチェックは重要ですよね。

 

その大地震によりマンションに生じる被害ですが、
これには、マンションの建物本体に生じるものと、
マンションが建っている敷地に生じるものとがあるんですよね。

マンションが地震により被害を受けるケースとは?A

この内、マンションの敷地に生じる被害としては、
大きく分けると、液状化、地盤沈下、地滑りがあるわけです。

 

通常、分譲マンションは、
建物を支える堅い地盤まで杭を打つことが多いので、
一戸建てと比較すれば、
地盤沈下や地滑りには強いといえますよね。

 

とはいえ、場所によっては、
地盤の状態が大きく変わっていることもあり、
杭を使わず直接基礎にしていた建物が傾いた
というケースもありますので注意が必要になるんですよ。

 

それと敷地の被害で最大の問題としては、液状化ですね。

 

前述した東日本大震災でも、
首都圏の埋立地等で液状化が発生しましたよね。

 

液状化が生じても杭を固い地盤まで打ち込んであれば、
建物本体が傾くということはまずないんですよ。

 

でも、敷地が液状化してしまうと、
マンションのエントランスと道路の間に大きな段差ができたり、
上下水道管やガス管に損傷が生じ、
生活が困難になるおそれがあるので、
この点には注意が必要でしょうね。

 

他方、マンションの建物に生じる被害は、
地震のエネルギーとともに
振動の周期が関係しているんですよね。

 

建物にはそれぞれ横揺れの震動の周期があって、
その周期と大地震の強い揺れの周期が一致すると、
柱や梁、壁などのダメージが
急速に拡大するということらしいですから。

 

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マンションの長期周期型地震の影響は?

建物の被害については、
建物全体の耐震性に関わるものとそうでないもの
とがあるわけです。

 

柱や梁の損傷というのは、
建物全体の耐震性を大きく低下させますが、

 

共用廊下側やバルコニー側の外壁は、
通常「非耐力壁」と呼ばれているように、
建物を支えているわけではないからですね。

 

つまり、非耐力壁は、建物の耐震性にはほとんど影響なく、
補修も比較的簡単ということなんです。

 

さて、多くの地震では、
周期が1秒未満の短い揺れが中心となっていますよね。

 

でも、中には数秒から10秒近い
長い周期の震動が強いものもあるんですよ。

 

これは、長期周期型地震と呼ばれているもので、
かなり遠くまで伝わるとされているんです。

 

タワーマンションは振動周期が長く、
長周期型地震の震動の影響を受けやすいのではないか
と言われていることもあり、
その辺りは研究が進められているそうです。

 

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軟弱地盤でも長い杭なら安心?

マンションは一戸建てと比較すれば、
敷地に生じる被害には強いと言われていますよね。

 

ですが、それでも全く安心というわけではないわけです。

 

特に基礎の杭が長い場合には注意が必要ですね。
また、建物には基礎がありますよね。

 

この基礎の役割は、建物の重さを地盤に伝え、
建物を支えることにあると言われているんですよ。

 

この基礎には色々な種類があるのですが、
建物の規模や重量、建物が建つ場所の地盤
の状態により選択するんですよね。

 

基礎の設計で大切なことは、
基礎が地中どれくらいの深さまで届くようにするのか
という判断になりますから。

 

支持基盤というのは、
この基礎が届いている地盤のことを言うわけです。

 

ですが、一戸建てのような軽い建物の場合は、
基礎はそれほど固い地盤にまで届いていなくても、
建築の許可は下りるんです。

 

一方、マンションの場合は、
鉄筋コンクリートでできていて規模も大きいので、
法律によって、十分に堅い地盤(N値50)まで
基礎が届いていることが求められているんですよね。

 

ちなみに、自分のマンションが建つ場所で、
N値50以上の地層が
地中何メートルくらいのところにあるのかを調べる場合は、

 

設計図書の中の「構造図」のところに記載してありますので
そこを見てくださいね。

 

固い地盤が地表に近いところにあればよいのですが、
中には20〜30mくらいの深さにならないと、
N値50の地盤に達しないこともあるわけです。

 

なので、その場合に「杭基礎」を使うのですね。

 

杭基礎それ自体は、
従来よりしばしば使われてきたものですから、
当然法律上も認められているんです。

 

とはいえ、
あまりにも杭が長い場合には問題となりますけれど…。

 

もともと縦に細長い構造物というのは、
横からの力に弱く、「柱」の場合は、
横に掛け渡す「梁」を組み合わせることによって、
横からの力に対抗しているわけです。

 

どの建築物でも、
最も下の階のさらに下に地中梁がありますが、
地中何十メートルにも「杭」を打ち込む場合には、
地中深くで梁を掛け渡すことは不可能だからですね。

 

ただし、万が一
大地震で長い杭のどこかが損傷してしまうと、
建物は多少なりとも傾きますし、
それを補修することも難しくなってしまうわけです。

 

最近は、湾岸部で超高層マンションが
大量に供給されていたりしますよね。

 

でも、地盤が軟弱なこともあって、基礎の杭の長さは
50〜60mに達することもあるそうなんですよね。

 

不動産広告などでは、よく
「何十本もの太くて頑丈な杭を打ち込んでいるので安心です!」
などという説明も見かけますが、
本当に大丈夫なのかとちょっと心配ではありますよね。

 

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