今後の住宅市場はどうなっていくの?

中古住宅市場が整備されると国民は得をする?@

住宅を整備し、価値の落ちない、あるいは落ちづらい
中古市場を形成することができれば、
私たち住宅の購入者はどうなると思いますか?

 

まずは国民の住み替え頻度も
格段に上がっていくはずですよね。

中古住宅市場が整備されると国民は得をする?A

例えば、築25年の住宅を3,000万円で購入し、
15年後に再び3,000万円で売却することができることを
考えてみてください。

 

これでしたら、立派な資産形成になりますから、
よし買おうということになりますよね。

 

価値が落ちない、あるいは落ちづらい住宅市場においては、
住宅購入はまさに貯蓄と言えますよね。

 

また、これを原資にして住み替えも容易になるはずです。

 

つまり、数千万円もの価値を持っていた、
現在住んでいる住宅の価値が全く評価されないために、
住み替えたいのに住み替えられないという、
多くの住宅所有者が抱えるジレンマから開放されるわけですね。

 

これが、住宅購入をすることが
まさに貯蓄になるということなのですよね。

 

このような議論に対しては、住宅市場全体として
経済的・GDPに回らないのではないか
という異論がもちろんあるわけです。

 

つまり、中古住宅市場でいくら住み替え頻度が高まり、
建物への投資が活発になったからといって、
新築住宅建設の経済効果にはとても及ばないのではないか、
というものですね。

 

もちろん、この主張の言う通りなのです。

 

ですが、そもそも新築住宅建設に
景気刺激の解を過度に求めすぎていることにより、
すでに住宅市場が大きく歪められてしまっていることにも
気を配るべきではないかとも思うわけですがいかがでしょうか?

 

例えば、自動車の世界を見てください。

 

実際、トヨタやホンダ、日産が造った新車を購入した後、
中古車として売買する中古車市場は発展しているではないですか。

 

これは、新車がある程度、国民の手に行き渡れば、
2次市場が生まれるのは自然な流れだからですね。

 

これと同様のイメージで、1次市場である新築住宅市場で
一定数の住宅が売られた後は、

 

2次市場である中古住宅市場を整備し、
国民資産である中古住宅の価値が落ちない、
あるいは落ちづらい状況をつくるのが自然だと思うのですよ。

 

さらに、日本のように、
経済の新興国モデルを脱却して成熟した国でしたら、
第3次産業であるサービス業でマネーを回さないと、
内需の健全な発展もありませんしね。

 

日本経済の長期的な停滞の原因は、
内需の停滞でもあるわけです。

 

ですから、そのために必要なのは、
サービス産業に携わる者の絶対数を増やすことであり、
また、その質を上げることにより社会問題を解決したり、
よりよい暮らしを送れるようにすることなわけです。

 

住宅市場に携わる者はまさにこれに該当しますよね。

 

なので、今後、広義の住宅市場に携わる者は
新築部門から中古や賃貸部門に移っていき、
かつそのスキルをアップさせていくことが、
住宅業界だけでなく、住宅市場の発展にもつながるはずです。

 

そして、ひいては日本の内需経済に
大きく貢献していくはずだと思うわけです。

 

価値の落ちない、あるいは落ちづらい
中古住宅市場をつくることは
家計に資産をもたらすことになりますよね。

 

なので、それにより抑制しがちになる消費を喚起し、
年金や社会保障の裏付けにもなる、一挙両得の、
安定した内需経済の基盤となる政策だと思ったりもするわけです。

 

日本経済という視点から見ても、
土地価格がどれだけ上昇したとしても、
そこに投資は生まれませんよね。

 

でも、建物に投資をすることで価値が保全されるのであれば、
自然とリフォーム需要も伸びていくはずですからね。

 

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今後の住宅市場はどうなっていくの?

これから不動産を購入する人にとっては、
これからの住宅市場がどのようになっていくのかが
一番気になるポイントですよね。

 

実際、現在の日本の住宅市場は、
歴史的な転換点を迎えている
といっても過言ではないのでしょうか?

 

住宅市場の適正水準は50万戸程度と言われていますよね。

 

この数字を考えると、
新築住宅中心の住宅市場は、名実ともに終焉し、
中古住宅と賃貸住宅が台頭してくるはずですよね。

 

具体的には、
現在45万戸程度とされている中古住宅流通数ですが、
数年以内に2倍の90万戸程度にまで
増えていくのではないかと考えられますね。

 

さらに、長期的には5倍以上の200万戸にまで膨らむ潜在力を、
この中古住宅市場は持っていると言われているんですよ。

 

また、リフォーム市場はその内訳を変化させつつ、
市場規模を拡大させていくことになるでしょうね。

 

賃貸住宅のほうも市場整備次第ではありますが、
民間による魅力的な賃貸住宅が
益々増加していくことになるのでしょう。

 

他方で、賃料下落が止まらない、
あるいは止められない物件というのもきっと出てくるはずです。

 

現状でも、いつかは新築住宅を
というヒエラルキーは崩壊しつつあるわけです。

 

ですが、今後は中古住宅派や一生賃貸派が
増えていく流れに歯止めはかけられそうにないですね。

 

それと同時に住宅業界でも
人材の淘汰とシフトが起こるはずですから、
数年後の住宅市場は現在のものとは
全然違う姿になっているのかもしれません。

 

こうした市場環境の中において、
住宅を購入するというのはなかなか難しいですね。

 

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