親子ドア、共用部分リフォーム融資制度、共同の利益に反する行為...

親子ドアとは?@

親子ドアというのは、開き扉で、
大小サイズの観音開きになっているもののことをいいます。

 

具体的には、大きい方のドアは普段の出入りに使い、
小さい方のドアはフランス落としで固定しておき、
広く開けたい時にフランス落としをはずして開けます。

親子ドアとは?A

大小の扉を開けると大きな出入口ができますので、
大型の家具類や家電を搬入しやすくなります。

 

1枚の大型扉を設けるよりも、
普段の使い勝手や製作・取り付けコストの面において
メリットがあります。

 

なお、マンションでも、
玄関扉やリビング・ダイニングの出入口などに
設置される事例も増えているようです。

共用部分の変更とは?

共用部分の変更というのは、共用部分の形状、
あるいは効用を変えることです。

 

具体的には、例えば、次のようなことです。

■コンクリート壁をタイル張りに変える
■エレベーターを新たに設置する
■階段室の位置を変える...など

 

区分所有法では、共用部部を変更するには
集会の決議が必要になりますが、
その決議要件には、変更の程度によって、
次のような違いがあります。

■変更が共用部分の形状または効用の著しい変更になる場合
・区分所有者と議決権の各3/4以上の多数による集会の特別決議で決めなければなりません。
・ただし、区分所有者の定数については、規約で過半数まで減らすことは可能です。

 

■上記以外の軽微な変更になる場合
・区分所有者数と議決権の各過半数による普通決議で決めることができます。

 

このように、決議要件の分岐点は、形状または効用の
「著しい変更」であるかどうかということになる、
つまり、変更・変化の度合いによって
決議要件が違ってくるということがいえます。

 

とはいえ、
ではどの程度が著しい変更になるのかという判断は
非常に難しいと言わざるを得ません。

 

現状では、「著しい変更」に関する
判例や事例の積み重ねを見つつ判断するほかなく、
適用範囲が確定されるまでは、
流動的と考えておいた方がよさそうです。

 

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共用部分リフォーム融資制度とは?

共用部分リフォーム融資制度というのは、
住宅金融支援機構による、マンション管理組合を対象とした、
共用部分改修工事のためのリフォームローンのことをいいます。

 

具体的な融資の限度は、無担保で、
工事費用の8割以内※となっています。

 

また、融資の条件として、管理組合が
(財)マンション管理センターに
保証委託するというものがあります。

 

つまり、マンション管理センターが保証人となるため、
担保が不要になるのです。

 

なお、金利については、一般のリフォーム工事、
バリアフリー工事、耐震改修工事によって異なります。

 

※ただし、150万円×住宅戸数です。

共同の利益に反する行為とは?

区分所有者の行為が、区分所有法で禁止されている
「共同の利益に反する行為」であるかどうかの判断は、
具体的に次のようなことを総合的に考慮してなされます。

■その行為の必要性の程度と
■それにより他の区分所有者が被る不利益の形や程度...など

 

また、これをその態様により大きく分けると、
次の3つに区分されます。

■建物や附属設備および敷地の保存に有害な行為
・壁構造のマンションで2部屋を1部屋にするために、中間にあるコンクリート壁を壊して、建物の安全性が損なわれるような行為
・共用部部の増改築を勝手に行う行為、例えば、バルコニーを改造して温室にするような行為...など

 

■建物等についての不正使用
・共用部分である廊下を物置の代わりに使用している
・住居用と決められている専有部分を店舗に改造して使っている
・外壁に看板を取り付けたり、屋上塔屋に広告塔を設置する行為...など

 

■他の区分所有者の平穏な共同生活を妨げる生活妨害行為
・悪臭や騒音、プライバシーの侵害などは、受忍限度を超える場合は、共同利益に反する行為と判断されています。

 

なお、区分所有法6条の規定は、
共同の利益に反する行為を禁止しているわけですので、
一定の広範囲な区分所有者に
影響を与えるものである必要があります。

 

なので、単に相隣接する専有部分の所有者間のみの紛争や
特定の者に対する侵害にすぎないものまでは
含まれないものと解釈されています。

 

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